昨日は勤務先である昭和音大のミュージカル分科会の打ち合わせでした。
この春から私は、4年生の授業『ミュージカル実習Ⅳ』の 歌唱指導者として授業に加わります。
4年生は年間2本の作品を実習として作品上演しますが、本年度前期の演目は『覗きからくり遠眼鏡』という、元音楽座の横山由和先生の作品に決まりました。横山先生は昭和音大で長年教えており、今回も勿論、先生ご自身が演出をなさいます。
今年の NHK の大河ドラマでは渋沢栄一さんを取り上げていますので、先生もまた幕末をテーマに書き下ろしされたものなのかなと思っていたら、なんと初演は1970年代!
横山先生がまだ学生の頃に発表した戯曲ということだそうです。昭和音大でももうすでに3、4回上演しているということで、驚きました。
私達は中学・高校でも歴史を学びますが、どうしても近代史は駆け足で通り過ぎてしまう為、若い子たちの中では “アメリカと日本って戦争していたんですか?“・・(絶句!!)。その程度の理解の子にも、たまに会うことがあります。
かくいう私も劇団四季に入団し、昭和三部作と言われる『異国の丘』に出演することになった際に、始めて第二次世界対戦の事、シベリア抑留の事などを深く学び、近代史にあまりに無知であったことにショックを受けました。
あの作品に関わることがなかったら、そのまま深く勉強もせず、理解もせずに通り過ぎて行ってしまっていたかもしれない・・。
お芝居でがきっかけで歴史を知るという機会は、実は若い世代にとってはとても有意義なことと思います。机上の勉強では経験しえない五感で感じ取る学びは、一生心から消えないものです。
今回、『覗きからくり遠眼鏡』を指導する為には、私ももう一度幕末や大政奉還、明治維新のことを今一度深く学びなおす必要がありそうです。
良い機会を頂いたと言う気持ちがしています。
そして半年間共に過ごす学生たちとは初顔合わせになるわけですが、お芝居の感動を共に共有できるように奮起したいと思います。