🔷ミュージカル俳優の台本の学びかた

今日は一日生徒さんのレッスンをしていました。先週、自分の不甲斐なさに泣いてたカラスが、今週は元気に立ち直って凄まじい成長を遂げていたり、また後退したり迷走したり。今日もまた悲喜こもごもです。笑

私は声楽のレッスンを主としていますが、必ず生徒さん達には台詞のレッスンも並行して行なっています。台詞の勉強は真に有益で、そのレッスンを経験した生徒は その後の歌の成長も著しいのです。誰に(対象者)、何を(目的)、何故に(動機)伝えているのか・・。徹底的に問います。

初めは漏れなく全員が眼が泳いで??ですが、やがてそれがはっきりと自覚できた時には、声の色、息の強弱、息の混ぜ方、佇まい・・それらの全てが変ります。 歌を歌っている時よりも、台本の構成の輪郭がはっきりと理解できる様になるのです。言い換えれば、ミュージカルの“歌“は音楽があるだけに、その辺りが実に曖昧です。歌詞もよく読まず、なんとなくの聞き覚えや、何方かのyoutubeの真似をしているだけの生徒さんもも多々います。ですがそれではいつまでも台本理解が進みません。

そして生徒さんは、必ず皆さん言います。『その歌を表現したいのです』、『その人物になりきりたいのです』・・。

でも実際には、その背景を学んでくる人はゼロに等しい。

今日のレッスン会場、実は謡いのお稽古場、木の床です。

自分の言葉にするにはどうすれば良いのか・・。それは永遠の課題とも言えます。

その対象者と自分との関係、関わり…。言葉の雰囲気ではなく意味を追求する。また作曲者、作詞がその作品に込めた祈りは何か? ・・歌って居ない時にも、学べき事は多いのです。いえ、むしろ歌わない時間がとっても大事な勉強なのですね。

今日も気が付くと、ある生徒さんの『コーラスライン』のヴァルの芝居の稽古に、レッスン時間のほぼ全てを費やしていました。なかなか大人になりきれなかった生徒ですが、長い時間をかけてようやく心理の変化を、的確に表現できる様になってきました。その時の彼女の輝かしさと言ったら❗❗ それは私にとっても最も楽しい時間です。

そして今日、私のプロコースを卒業した生徒さんが一年ぶりにレッスンにやって来ました。すっかりお年頃で美しくなった生徒に、私の方がドギマギでした。病気がちでレッスンを休む事が多かった彼女ですが、闘病の末に健康は回復し、仕事の充実から自信にも溢れていました。昨年のコロナ渦で、おもいがけず非常勤の音楽教諭の職を与えられ、収入も安定した様です。本当によかった。若さは素晴らしいです✨

そして、レッスンのたびに毎度想うのは、私に芝居を教えてくださった諸先生方と諸先輩の事です。

教えるとは、自分が受けた恩恵を次に伝えて行くこと。

私は、教えられた素晴らしい事を次世代に繋いでいく、尊い仕事をさせて頂いているのですね。

今日も感謝です。✨✨

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