昨日は久しぶりに恩師と観劇デートでした。演出家 中村たかお先生。
師と共に近代戯曲研究会を開き、『天守物語』を学んだのは昨日の事の様に思えるのにあれからもう2年が過ぎたなんて。
今月89歳を迎える先生は、だいぶ痩せられて足元がやや頼りなかったものの、終演後はたくさん芝居の事を話し、また韓国料理を美味しそうに沢山召し上がれたので少しホットしました。
今日先生と観た芝居は、劇団NLTの『オウムとにわとり』というサスペンスコメディ。フランスの劇作家 ロベール・トマ作です。先生は初演から数回ご覧になっているという事で、観劇後に逸話を話して下さいました。NLTという劇団は文学座にいらした賀原夏子さんを中心に旗揚げされ、フランス喜劇を主なレパートリーとしています。この作品も再演を繰り返してきた18番。中村先生は初演から数回ご覧になっているという事で、観劇後に色々とお話しして下さいました。
その記憶力にはいつも驚かされます。私が何を聞いても淀みなく答えて下さる先生・・。昭和の演劇史がすべて頭の中の中に入っている様です。今日、お会いした時には随分弱々しくなられた印象でしたが、芝居のお話になるとお喋りは止まりません! お別れした後には別人の様でした。。
先生から学ぶ事は無尽蔵にあるので、先生の体調を見ながら また研究会を再開させたい思いです。(先生は今日、結局最後まで『うん』(了解)とは言って下さらなかったけれど・・。)
年齢と共にいつか訪れる終いに向けて、其々が考えてどの様に過ごして行くのかを考える訳ですが、最後は執着(良い意味での執着)がものを言うのだろうな、と思いました。
『何でもok ~』の世界も優しい。それも勿論悪くない。でもやっぱり最後の瞬間までドタバタしていたい。自分の出来なさ加減に相変わらず落ち込んだり、それでもワクワクしながら芝居を作ったり、芝居をネタに愚痴ったり、、あれやこれやしたいものだな〜と思いました。
若い頃の私のスターは、Hさん!その方は今も勿論活躍されている。
今の私のスターは、老いてもな芝居に打ち込む諸先輩方だ。
倉本聡さん脚本の 『やすらぎの郷』の収録中に逝去された野際陽子さん、八千草薫さん、怪演だった富士真奈美さん、有馬稲子さん、、。
そして先だって生誕100歳を迎えた 故・森光子さんも。大記録を打ち立てた生前の舞台『放浪記』(林芙美子さんの自伝的な芝居です。)でのお姿を最近再び目にし、その燃える炎🔥(執念)が、森さんの生と林芙美子の生とがリンクし、何とも言えない感動がありました。
自分たちは、昭和の大スターさん達の芝居を生で見る事が出来て、ミュージカル創世記にも立ち会えて、よい時代を生きて来られたね、、。。と仲間と昨夜は語らったけれど、懐かしんでばかり居られない。
さあ、私も行動だ!!