またまた戯曲のお話し。
このところ、加藤道夫さんの
『なよたけ』を読んでいます。
加藤道夫さん。
慶應義塾において教え子であった
浅利慶太先生たちが、劇団四季を立ち上げる
きっかけとなった方です。
劇作家であり翻訳家であり演出家。
やはり加藤道夫さんの作品である
『思い出を売る男』は、
四季で度々上演されていますが、
代表作である『なよたけ』には
私は今回始めて触れました。
太平洋戦争時に南方へ行く前に、
命を賭けて書いたと言われている
この作品。
ご存じ、かぐや姫がモチーフです。
詩情溢れる作品だけど、圧倒されました。
大変美しい作品です。
そして、とても不思議な、
謎めいた作品でもあります。。
読み進めている内に、私が生きている
この現(うつつ)さえも
主人公の夢想の中なのじゃないかと、
などと思えてきます。。
普段から、私は、なんだか
現実と夢の境がよく解らなくて。
あ、
私は決して危ない人じゃないんですが、
なが~い夢の中には居るような気も
したり。。( ´△`)
なんか『夢から醒めた夢』みたいな話しに
なってしまいますが、
『ぼんやり夢を見ている一日が今日も
終わる…』と。
いつもそんな風に感じられていて。
いまの歌詞は『CATS』の中の
長老猫の一節ですが、
グリザベラの歌う『メモリー』の訳詞も
『思い出を売る男』や『なよたけ』から
沢山のイメージを受け取ったのではないか、と思えてなりません。
また『なよたけ』には
ジロドォの戯曲『オンディーヌ』への
オマージュもあちこちに感じられます。
加藤道夫さんは、劇団四季立ち上げの
少し前に自殺なされていて、
(まだ35才だった)
旗揚げ公演を観てもらうことは叶わなかった
そうですが、その後もずっとず~っと
浅利先生方の心の支えであり、
道標だったのでしょう。
今更なんですが、
四季の作品には加藤道夫さんが
生きているのだな、と感じました。
私は在団中には慌ただしい日々で、
『なよたけ』を読む時間は取れず、
久々に戯曲の中に没頭し、
言葉の渦に心地良く浸りました..😊
さて、『なよたけ』は9月半ばに
演出家協会でリーディングを致します。
私の師である中村哮夫先生が
演出をなさるので、
私は劇中の歌を作曲せよ!
と命を受けていまして、、💦
劇中には合唱も沢山出てくるのですが、
それは割愛することになり、私の担当は
わらべ歌やら色々、4曲ほど。
劇中歌作りは、以前にも経験していますが、
これまた久々に五線譜に向かい、
おたまじゃくしと格闘中で~す!
上演の詳細はまた今度に。
私も参加致します。
中村先生も加藤道夫さんの教え子。
日下武史さんと同級生なんですよ。
どんな演出になるのか楽しみです!!
..がその前に、明日はじめて
演出家に曲を提出します。。
全ボツ!に
なりませぬ様に…(;´_ゝ`)